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第5回全国救助隊交流集会
登高器の使用法に警鐘も  10月4日と5日、広島県三倉岳のマロンウォールで、13府県連盟87人の救助隊関係者が集まって 第5回全国救助隊交流集会がおこなわれた。救助隊の交流会は2年に1度開かれているが、西日本 での開催ははじめて。一昨年の愛知での交流会から救急法の技術交流もプログラムに取り入れられ ており、特殊な救助器具と人員を投入した「組織レスキュー」、主に当該パーティーの手で通常の 登山装備で対処する「セルフレスキュー」とあわせて、3本柱の技術が今回も交流された。参加県 連盟は、埼玉、千葉、神奈川、京都、大阪、兵庫、香川、高知、岡山、広島、鳥取、山口、福岡。  交流・研修した内容は、<ロープの結束方法の確認><懸垂途中での登り返し><懸垂の方法と 仮固定>などの基本技術、下肢開放骨折や頭部損傷(意識障害)の手当、張り込みロープへの負荷 の少ないチロリアンブリッジの張り方、カウンターウエイトによる1対1の引き上げ、アンカーの 流動分散方式の補強方法などのほか、定番の引き上げ、引き下ろし、搬送などだ。  また、ペツル製品を輸入販売しているアルテリアの鈴木惠慈社長が、アッセンダーによるロープ 切断の様子を実演し、使用上の留意点を警告した。フィックスロープを数mユマーリングして、 アッセンダーの上1mから80キロの登山者が落ちたことを想定した実験をしたところ(ハーネスと アッセンダー間のスリング長1mで、落下距離は当然2m、ロープは10・5ミリ)、ロープの表皮 は破断され、内部の撚りロープも2本が切れていた。また、鈴木氏は、レスキュー用に開発された 器具を紹介した。  交流集会の内容は、作成中の「報告書」で詳しく公開される。来年の全国総会までに発行し、各 都道府県連盟に配付される予定だ。