第25期全国理事会は24名で構成されているが、平均年齢54歳で女性はいない。今期は5万、10万の労山づくりを掲げ、法人格の取得や個人加盟問題、遭難対策基金の不動産化による事務所ビルの所有など、労山運動ひいては日本の登山界の将来に影響する重要課題に取り組んでいる。この議論に、会員の半数を占める女性や、5年後、10年後に労山の指導者となる若者の声が反映されなければならない。
7月4日、5日に栃木県宇都宮市で開催された平成14年度全国山岳遭難対策協議会(文部科学省・警察庁等の主催)の第3分科会「学校山岳部の事故防止への方策」には、各都道府県から高校・大学で山岳部の指導をしている40名程の先生や職員の方々が参加していた。
どこの学校でも少子化による子供の減少と親の過保護による危険を伴う活動への無理解から、部員の減少が問題となっている。さらに、指導者教育システムの未整備と事故発生時の補償問題が不明瞭なため、優秀で熱意のある指導者が不足している。
登山は他のスポーツ活動とは異なり、活動内容が生活全般にまでおよび、多岐にわたっている。また、試合時間を入山している時間と考えると非常に長い。まして、不測の事態が発生しても、ほとんど人力以外は頼ることのできない場所でおこなっている活動だ。
このため指導者やリーダーの能力次第で、楽しさも安全性も活動範囲も全く変わってくる。青少年が登山を活発に楽しむためには、優れた指導者を養成することが急務といえる。
さらに、万一事故が発生したとき、救助体制と経済的負担の補償を整えることでも、バックアップされるべきだ。今年も、東京都立大学山岳部、上智大学WV部、九州産業大学山岳部が労山に加盟してきた。遭難対策基金だけが目的ではなく、高所登山学校や雪崩講習会などの教育システムや登山文化を守ろうという労山運動そのものにも参加してほしいものだ。
そのためには、学生団体の中に労山活動のリーダーを育てる必要がある。青年学生委員会の課題だ。
先の会議で栃木県高体連登山部が報告した資料によると、栃木県内の高校山岳部員は264名。そのうち女性は58名と5分の1を占める。しかし、顧問は102名中2名しか女性がいない。労山内の会議でも全国総会や評議会となると、ほとんどの参加者が男性で、女性の地方連盟理事長・事務局長など幹部はまだ少ない。
各会・クラブでも、女性が会務を分担している割合が多くなってきていても、役員会でリーダーシップを発揮している女性が少ないようだ。
まだまだ、女性委員会が活躍しなければならない。9月28日、29日は、栃木県塩原温泉で第5回東日本女性交流集会が開催される。
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