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白神「核心地域」入山が届出制に

白神山地世界遺産地域連絡会議(環境省や林野庁、青森・秋田両県など)は、青森県側核心地域への入山手続を、現在の「許可制」から「届出制」に変更した。7月1日から実施される。青森県連盟も「届出制」を要望する意見書を提出していた。しかし、核心地域の入山を、青森県側は27ルート限定、秋田県側は全面入山禁止としていることは、そのままだ。
これまで、核心地域への入山には、事前に森林管理署(営林署)に許可申請しなければならなかったが、今後は、当日持参も含めて、津軽森林管理署のほか、鯵ケ沢、深浦、岩崎、西目屋の4町村役場、環境省世界遺産センター、青森県ビジターセンターなどに入山届を出せばよい。閉庁後も受け付けられるように「入山届受付箱」も設置される(郵送などによる事前届出は、津軽、鯵ケ沢、深浦の森林管理署のみで、他は直接持参のみ受け付ける)。
また、環境省東北地区自然保護事務所は、白神山地の主な登山口に設置している入山者カウンターの集計結果を発表した。昨年度は、一昨年度より2万3千回もカウントが減り、15万5千回以下だった。カウンターは、青森県側に8カ所、秋田県側に3カ所ある。場所別では、暗門の滝が10万5千回程度で最多。最小は一ツ森峠の298回。また、入山規制している「核心地域」への入山許可申請は4月から11月までで709人だった。白神は、登山を規制しながら観光地への道をひた走っている。

白山でROS手法を登山道整備に

石川県は、白山の登山道を初級、中級、上級にラン区分けすることに着手した。ランクに応じて、道標や登山道自体、避難小屋の整備の度合いにも差をつける。登りやすくしようとして「登山道をコンクリートで固めてしまった」などという過剰整備が各地で問題視されているが、県が計画している今後5年間の登山道、避難小屋、トイレ整備事業で指針にするという。
自然環境を「自然性最重視」から「利便性重視」までランク分けして管理することが提唱されおり、Recreation Opportunity Spectrumと呼ばれているが、これを登山道整備に応用した形だ。白山には17の登山ルートがあるが、例えば「砂防新道」は初級、「別山市ノ瀬道」は中級、「釈迦新道」「中宮道」は上級というようにランク分けし、初級では登山道の段差を低くしたり休憩スペースを多く設ける一方、上級では岩場や沢を自然のまま残すという。

県立自然公園で入山料徴収

岐阜県は、高層湿原や高山植物の群生地として知られる天生(あもう)県立自然公園の入山者に、環境整備協力金(500円)を徴収することを決めた。入山者が最も多い9月と10月の紅葉シーズンに試行的に実施するものだが、通年実施をめざすという。県立公園での入山料徴収は全国的にもあまり聞かない。
徴収方法は入山口になる天生峠頂上の駐車場にゲートを設けるということだが、期間中の収入は1日20人で約60万円を見込んでいる。エリアを抱える河合村と白川村は、4年前から同公園の環境保全を目的にした協議会をつくっているが、地元新聞によると「環境保全の取り組みも財源的に窮乏しており、利用者に費用の一部を負担いただくしかない」と話しているという。

鳥海山で高山植物保護条例

鳥海山に自生する高山植物を守るために、地元の山形県遊佐町が、罰則つき保護条例の来年度制定に向けて取り組んでいる。鳥海山には、頂上付近にチョウカイフスマやチングルマなど、高山植物が豊富だが、近年、一部の登山者による盗掘などが問題になっている。同様の条例は山梨県が制定しているが、新聞報道によれば、町では「条例がない地区が盗掘者に狙われるおそれがある。条例とあわせて町独自の高山植物パトロール隊もつくりたい。鳥海山を取り巻く他の自治体にもこの動きが広がれば」と話しているという。

伝説の池で「保全連絡会議」
行き過ぎた観光PRはやめよう

福井、岐阜県境にある夜叉ケ池の自然環境を守ろうと、両県から地元の今庄町と坂内村、両県、森林管理署、山岳会などが集まって、5月15日に「夜叉ケ池保全連絡調整会議」が結成された。
会議では、登山者の増加で池周辺が荒れ、ゴミや排尿が絶滅危惧種のヤシャゲンゴロウに影響を与えているなど、池の「自然治癒力」が限界に達しているとして、両県で登山者のマナー向上に取り組むことを確認した。
席上、福井県の山岳会関係者が、福井にある「ボランティア・パトロール隊」を岐阜でも結成するよう求めたり、坂内村が池近くに設置したカメラを観光PRに使うことを自粛するよう求める一幕もあったという。

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