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合同研修は現場感覚の谷川で |
3月24日に第1回部会を開いた。部員構成は次の通りだ。部長/井芹昌二(全国連盟副理事長、埼玉・登攀クラブ岩つばめ)副部長/河野文樹(全国連盟理事、千葉・シャンティ)部員/川嶋高志(全国連盟事務局長、東京・練馬山の会)三宅宣之(新、全国連盟理事、埼玉・埜歩歩富士見山の会)中山建生(神奈川・みずなら山の会)今井雅文(埼玉・アンクルクライム)矢崎辰雄(埼玉・上里ハイキングクラブ)宮崎守弘(新、東京・杉並勤労者山岳会)大河内彩子(新、神奈川・裏山探検隊)柴山利行(新、埼玉・ハイジアルペンクラブ)。
また、部員の担当は次の通り。<事務局>三宅宣之、<雪崩講習会担当>川嶋高志、中山建生、<事故分析担当>矢崎辰雄、大河内彩子、<登山・レスキュー技術担当>今井雅文、宮崎守弘、<日本山岳レスキュー協議会担当>柴山利行、川嶋高志、井芹昌二、河野文樹、中山建生。
遭対部では、現在、以下の活動を進めている。
事故分析・事故事例 「遭対基金事故一報」からの分析とともに、日山協と共同で進めている「事故調査書」の集約に取り組んでいる。「事故調査書」は、情報学専門家の青山千彰氏によって詳細に分析されており、これを活用して具体的な対策にする。一昨年1月から現在までに377件のデーターが集まり、近日中に第2回報告書が完成する予定だ。また、教訓となる事故事例を抽出する。
救助技術合同研修の準備 日本山岳レスキュー協議会主催の合同研修を、群馬県谷川岳で開催する準備をはじめた。全国総会では、会場を愛知県鳳来町としたが、より現場に近い研修が必要だということで谷川岳に変更し、遭難救助で多くの実績をあげている群馬岳連を中心とした研修会とする。
「遭対ニュース」の発行 6月に1号を発行する準備にかかることを確認した。内容としては教訓的な事故事例、登山技術、レスキュー技術などの発信とともに、各地方からの情報収集ができるものにしていく。
講習会・遭対会議への派遣 セルフレスキュー講習会や遭対会議に部員を派遣することにした。千葉県連盟の「レスキュー講習会」には遭対部員4人を派遣することにし、四国ブロック協議会の遭対会議への講師要請について、現在調整中である。
高知県で開催される「平成16年度全国山岳遭難対策協議会」に部員3人を派遣する予定。登山団体としての活動、行政への要望などをまとめて提出、または発言する。
労山内事故 今年1月からの事故一報による事故件数は69件、死亡事故は1件(3月24日現在)。
(井芹昌二)
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リーダー学校は奈良県で開催 |
恒例の「全国ハイキング・リーダー学校」の開催場所が、奈良県に決まりました。日程は9月18日(土)〜20日(月・祝)の連休期間中を、とりあえず予定しています。奈良県連盟では3月7日の県連盟総会で、全国からの要請を了承し、開催を引き受けていただくことになったものです。奈良県での労山の全国的な行事開催は、近年にはありませんでした。
ハイキング層を対象とした全国的取り組みは、経験交流の場としての「全国ハイキング交流集会」と、会運営のリーダーを養成するための講座である「全国ハイキング・リーダー学校」を、毎年交互に開催しています。会場も、なるべく東日本と西日本を交代させながら行っています。第1回の全国ハイキング・リーダー学校は、1992年、八ケ岳・唐沢鉱泉で開かれ、以後、広島(94年)、埼玉(96年)、滋賀(98年)、栃木(2000年)、香川(02年)で開催してきました。
前回、香川での講義課目は、(1)ハイキング活動前進のために、(2)ハイキング・リーダー養成と会運営、(3)ハイキングに役立つ搬出法、(4)簡単な救急法と三角巾の使い方、(5)運動生理学、(6)自然観察入門の6課目でした。2泊3日の日程ですから、1課目に1時間半から3時間かけて、じっくり話してもらえました。
今回の学校をどんな日程と内容にするかは、現在、全国ハイキング委員会と奈良県連盟で相談中です。しかし、最重要の課題が1つだけあります。それは、この間、いくつかの"老舗"と言っていい大型ハイキングクラブが労山を脱退したことです。いずれも、支払った連盟費に比べて、「労山加盟の見返りが少ない」と受け止められていることが共通しています。ハイキング層の会員に労山の活動を伝え理解を深めてもらうこと、またそうした会員の要望をくみあげて会活動・連盟活動に反映していくことが急務になっています。これに応えるのは、難しさがあります。しかし、これ抜きには労山の発展もありえません。これから9月に向けて、いろいろな人の力も借りながら、知恵をしぼって講義に反映させたいと思っています。どうぞ、多数ご参加ください。
(全国連盟副理事長/石川友好)
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海外登山計画書の様式を統一 |
全国連盟山行活動部には、現在2つの委員会と、3つの緩やかなネットが活動しています。
委員会は「ハイキング委員会」と「海外登山委員会」(通常は海外委員会と呼称)です。これらの委員会は、それぞれ定例会と委員メンバーを持ちながら、ハイキング委員会なら「ハイキングリーダー学校」「ハイキング交流集会」などの全国集会、海外委員会は「高所登山学校」「海外登山集会」といった全国行事を行っています。
3つのネットは「山スキー」「フリークライミング」「アルパインクライミング」で、常設的な会議や委員はいませんが、「山スキーのつどい」「山スキーシンポ」「フリークライミングコンペ」「アルパインクライミング交流集会」などの全国行事を実施しています。
その目的は、それぞれの分野での登山について、労山会員同士が最新情報や地元情報を交換し、交流を生み出し、楽しくその分野の登山を発展させることです。
さて、今回は、海外委員会にかかわる課題のうち、海外登山の実状把握についてお知らせします。
日本人による海外登山の実態把握が、他の山岳組織では難しくなってきています(労山では、遭対基金の規定もあり、ほとんどの隊、個人が海外委員会に計画書を送付していただいています)。そこで、日本山岳協会、日本山岳会、日本ヒマラヤ協会、ヒンズークシ・カラコルム会議といった他の山岳組織と、海外登山に関する協力・協同を進めるために、海外登山「計画書」並びに「報告書」の様式統一に協力することになりました。これから海外登山を計画している隊、個人の方々にも、ぜひこれらの書式での提出をお願いします。用紙は全国連盟に用意してあります。また送付先はこれまで通り海外委員会宛となります。ご協力下さい。
(全国連盟副理事長・山行部長/香取純)
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賠償責任保険スタート |
遭対基金がつくられてから30年が経ちました。 基金加入者の増大にともなって、民間の保険と比べても見劣りがしない内容で給付を充実させてきています。昨年度の加入者数は2万1160人で、会員の93%が基金の加入者となっています。昨年は327件の事故報告があり、11人の方が亡くなられました。事故報告のうち239件で給付申請があり、約4700万円が給付されました。
1988年には、事故防止に役立てるために「安全対策基金」が設置されましたが、17年間で約6000万円が遭対基金から拠出されています。今年の遭対基金予算案にも1000万円の安全対策基金を計上し、各地で開かれる登山学校や各種講習会などにも充当されます。
安全対策基金の運用については、関係部署と連携し、効果的な運用の検討をさらに進めていきますが、プロガイドを含む労山内外の講師集団を養成し、各地への講師派遣ができるような体制づくりなども構想されています。
今年度の全国連盟総会において、長年要望の強かった「賠償責任保険」の制度が承認されました。これは、民間の保険会社に依頼してつくったもので、山行中、他人に損害を与えた場合の賠償責任にかかわる保険です。個人や諸行事参加者、主催者を対象にして、目的に応じた各種の保険商品が用意されています。加盟団体あてに内容説明の文書をお送りしましたが、全国連盟のホームページからも内容を見ることができるようにしました。
6月26〜27日には、第3回遭対基金全国会議を予定しています。「賠償責任保険」の制度も、この会議での要望から具体化されてきたものです。この会議に、積極的意見や要望が出ることを望みます。
(遭対基金管理委員長/高橋友也)
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5月に環境省・林野庁へ要求 |
自然保護委員会は昨年10月、京都で開催された全国登山者自然保護集会以降、自然保護憲章(案)づくりに全力をあげています。
憲章制定までのスケジュールとしては、7月3日、4日に予定している第2回制定委員会に向けて基本構想(フレーム)構築の検討を進め、全国各ブロックから選ばれた自然保護憲章制定委員会メンバーが検討するという段取りです。11月の全国自然保護担当者会議では、基本構想(案)の討議にまですすみたいと考えています。
さらに来年2月の評議会までには、憲章原案の検討に入り、その秋の全国登山者自然保護集会・愛知集会では憲章原案の提示にいたるという予定です。
これらの検討作業が内実の伴ったものになるには、各地方連盟・加盟団体のみなさんや読者のみなさんのご協力と提案が要です。よろしくお願いいたします。
一方、全国理事会は全国各地の自然保護要求を結集して、5月14日に対政府要求交渉を計画しています。
すでにいくつかの連盟から要求項目が出されており、代表も上京して労山代表団として集団交渉を行いたいと考えています。目下、全国連盟自然保護委員会で、環境省向けと林野庁向けの要求内容・項目を精査しているところです。
環境省に対する要求としては、地球環境問題、山岳整備事業(ゴミ・トイレ・登山道・旧百名山歩道など)、自然公園法改正にかかわる問題、山岳地域への立ち入り禁止や入山料問題などを要求の軸におきたいと考えています。
林野庁にたいしては、林野事業民営化の先に国民へのサービス低下がないか実体を知ること、大規模林道の事業計画の実施状況、国民参加の林野事業の実体、森林の温暖化問題、森林生態系保護地域や世界自然遺産地域への入山規制問題などを軸にして要求をまとめる方向です。
読者の皆さんのご意見をお待ちしております。
(全国連盟副理事長/野口信彦)
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すべての地方に女性担当者を |
今期の全国連盟理事会には、女性委員会からナント3人が推薦されてメンバーとなりました。
女性委員会は手薄を穴埋めすべく、委員の構成メンバーを1.5倍の8人に増やし、今期をスタートすることができました。全国各地の女性会員が主役となり、平和のうちに息長く豊かな登山を続けるための学習と交流の場がさらに広がるよう『あせらず ゆっくり 前向きに』、したたかに活動を進めてまいります。
まずは、今年度の各地方連盟の女性担当者名簿を作っています。東西の温度差や連盟の女性委員会の有無にとらわれることなく、女性担当者を押し出して下さい。点と点が線になって女性会員のネットワークが広がります。県連盟はじめ会員のみなさんのご協力を心からお願い致します。
第6回東日本女性交流登山集会 日程は9月25日〜26日、主管は長野県連盟、北信越ブロック協議会後援。北アルプスのふところ大町をベースに、長野県連盟女性委員会が中心になって準備を進めています。今年は、交流登山にロッククライミングコースが加わります。
全国女性担当者会議 各地方連盟の女性担当が集まって、11月におこなわれます。活動してきた2年間を総括し、次へのステップを切り開くための会議です。
番外編 交流と連帯の掛け橋にTシャツを作りました。本誌3月号で紹介されたように、生地は上質のダクロン製、熊谷榧さんの絵と「ハイキングからヒマラヤまで」を英字でプリント、労山をさらにアピールしようと普及しています。価格2200円、サイズはS、M、L。半袖のカラーは8色、長袖5色(作成中)。詳しいお問い合わせは女性委員会まで。
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